6.光老化の修復
できてしまったシミ、シワ、たるみをスキンケア器機(フォトフェイシャルやレーザー)で取り除いたりしますが、一部だけが修復されても素肌がきれいにはなりません。やはり老化を修復する(若返る)ということ考えていくには素肌がきれいになることをまず考えるべきでしょう。スキンケアでは、たまった角質を毎日きちんと落とすために充分な洗顔と、アルファハイドロキシ酸(AHA)などを利用した角質ケアも重要になります。また、増加してしまったメラニン色素を抑制したり皮膚を正常に機能させるためのビタミンAと、フリーラジカルの攻撃から皮膚を守る抗酸化ビタミン(ビタミンC・E・βカロチン)などを含むスキンケア製品を使用するのもいいでしょう。毎日行うスキンケアは、薬ではケアしきれない繊細な皮膚のお手入れ・メンテナンスができます。また、最近では機能的に優れたスキンケア製品も増えてきました。私たち医師もスキンケアを予防医学として注目してきています。
1)ビタミンAの補給
老化肌の修復で忘れてならないのが、ビタミンAです。みずみずしい子供の肌にはビタミンAが満ちあふれています。紫外線と活性酸素で皮膚細胞にダメージがおこるとビタミンAが皮膚細胞の再生を促して健全な状態に戻します。しかし再生作業を繰り返すとビタミンAは次第に少なくなってきます。その紫外線によって減少する以上にビタミンAを補給することによって老化肌の正常化がおこり、正常になっただけで若返った感じがします。
<ビタミンAの働き>
・細胞の分裂と分裂を調整(ターンオーバーが正常な4週間になる、角質層が整然とする)
・線維芽細胞のDNAのダメージを修復(コラーゲンやエラスチン、保湿物質)
・メラノサイトのDNAのダメージを修復(メラニンの過剰な生成をとめる)
・コラーゲン、エラスチン、ムコ多糖体の生成を促進する
・真皮中の血管が発達し、皮膚の血色がよくなる
・皮脂のコントロールする
組織レベルでは、数ヶ月ビタミンAを塗ることにより、角質はコンパクトになり、表皮と真皮はふっくらとし、真皮のコラーゲンやエラスチンの量が増え質が
よくなってきます。
2)ビタミンCの補給
皮膚は、活性酸素(フリーラジカル)を除去するためにビタミンCを必要とします。(抗酸化物質としての働き)ビタミンCは水溶性ですから、体内に貯蔵しておくことができず、絶えず補給し続けなければなりません。人間の体内でビタミンCは作れないのです。また、皮膚にビタミンCを補給すると、皮膚の抗酸化機能が高まり、日焼けが軽減されるだけでなく線維芽細胞を刺激してコラーゲンやエラスチンをより多く生成するようになり、メラノサイトのメラニン生成を抑制します。こうした点を考えると、ビタミンCは紫外線防止剤よりはるかに優れたサンスクリーン剤といえます。しかも、皮膚に使用したビタミンCは細胞に吸収されるため、30〜36時間効果が持続します。
ビタミンCの美白作用は、チロシナーゼを抑制することによって、メラニンの前駆体であるチロシンがメラニンに変換されないようにしてメラニンの生成を抑えます。
<ビタミンCの働き>

・抗酸化作用
・メラニンの生成を抑制する
・コラーゲン、エラスチンの生成を促進する
3)AHA(アルファハイドロキシ酸、俗称フルーツ酸)
多くの果物の中にあるので、一般的にはフルーツ酸と呼ばれています。酢酸(ぶどう)、グリコール酸(さとうきび)、乳酸(さとうきび)、リンゴ酸(りんご)、クエン酸(みかん)などがあります。歴史をさかのぼるとクレオパトラがロバのミルク風呂に入ったり、フランスのポンパドール夫人がシャンパンで顔を洗ったりした経験的な美顔術ですが、1980年代以降にAHA配合の化粧品がつくられました。
私はAHAの中では天然乳酸を好んで使用していますが、その理由は、皮膚の保湿性を高めるからというだけでなく、メラニンの配列によい影響を与えるのでシミにも効果があるからです。
<AHAの働き>

・表皮の角質層を自然に剥離する、下にある新しいより水分が豊富な細胞が押し上げられてくる(健康な皮膚細胞の活動を活発にする)
・皮膚の毛細血管の循環がよくなる
・線維芽細胞に刺激を与え、より多くのハイドロキシプロリンを生成(ハイドロキシプロリンはコラーゲンの前駆体として必要なアミノ酸)
・真皮のグリコサミノグリカン=ムコ多糖体の生成を促す(保湿力を高める)
大切なのはビタミンA、抗酸化物質(ビタミンC・E・βカロチン)、AHA、紫外線防止剤等の特徴をいかして組み合わせ、ひとりひとりの肌に合わせたスキンケアを行うことです。
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