肌のコンディションを正常に保つための鍵を握っているのは、ビタミンです。なかでも「ビタミンA」には、肌バランスの機能を正常に保ち、ダメージをケアする働きがあります。さらに、肌のハリとうるおい、弾力を保つ役割も、ビタミンAは担っています。
ビタミンAが不足すると肌のコンディションが乱れ、キメの乱れ、シミ・くすみ、シワ・たるみなど、さまざまな肌トラブルを引き起こします。美しい肌であるためには、つねにビタミンAに満たされていることが必要です。
ビタミンAとは簡単にいうと「健やかな肌を作ってくれるミラクル成分」です。人は生まれたときは肌に豊富にビタミンAを持っていますが、紫外線によって日々破壊されていってしまいます。特に肌トラブルが起きているわけではなくても、意識せずにダメージが蓄積されていき、ビタミンAも欠乏していきます。
もちろん日焼け止めをつけることは効果的ではありますが、それだけでは十分ではありません。ですので、健やかな肌をキープするためにはビタミンAを外から補う必要があります。
ビタミンAの働き
老化は紫外線による酸化反応(肌サビ)

老化の80%は、紫外線による光老化です。紫外線の害は0歳からの蓄積です。30歳くらいまでは、皮膚の内部で変化が起こるだけですが、30歳頃からシミやしわとなって表面に出てきます。

老化のスピードを遅くする為には勿論、紫外線カットの為、帽子や日焼け止め、ファンデーションが必要です。でも、どんなに日焼け予防をしても100%カットはできません。肌の中に入ってしまいます。紫外線が肌の中に入ると、活性酸素が発生します。その活性酸素による酸化反応が老化です。
酸化反応とは、鉄が錆びたり、リンゴが茶色になったりする反応のことです。例えば、活性酸素で酸化反応が起こると、メラノサイトというメラニンを作る細胞のDNAが傷つきます。そうすると、勝手にメラニンをどんどん作るようになってしまい、そこがシミになります。
また、コラーゲンを作る繊維芽細胞という細胞のDNAが傷つくと、作られるコラーゲンの量が減り、質が悪くなります。25歳を過ぎたらコラーゲンが減るというのも、0歳からの紫外線の害の蓄積で、細胞のDNAが傷つくからです。それで、しわやたるみが出来てきます。
◎老化のスピードを遅らせるためには
→肌の外(帽子・日焼け止め・ファンデーション)
→肌の内(抗酸化とビタミンA)
酸化反応を止めるのが抗酸化です。抗酸化物質には、ビタミンC,E,βカロチン、フラーレン、αリポ酸などがあります。そして、ビタミンAもそうですが、こういうものは口から摂ると生命を維持するのに大切な内臓にいってしまい、肌に行くのは最後に少しだけになるので、皮膚から吸収させてやるのが一番効率が良いです。(抗酸化=アンチオキシダント)
ビタミンAは、紫外線で傷ついたメラノサイトや繊維芽細胞のDNAの傷を治します。そうやってシミ・しわを治していきます。
すこやかな肌のコンディションを保つためには、つねにビタミンAを補給することが必要です。補給には内側からと外側からの2つの方法があります。内側からの補給法は、ビタミンAを豊富に含む食品、たとえばニンジン、ほうれん草などの緑黄色野菜やレバー、うなぎ、バターなどを毎日の食生活でしっかり摂取すること。もう一つは、スキンケアによって皮膚へビタミンAを補給する「塗るケア」です。
「ビタミンAは簡単に言うと子供のような肌に戻していくんですよ。少しずつ!」と言う説明をよくしています。
紫外線で傷ついたDNAを修復する→弱った細胞を元気にする力があります。

だから、お肌のターンオーバーも老化で遅くなりますが、ビタミンAで正常にしていきます。トリートメントやホームケアのビタミンAは、子供のような4週間に、セラピューティックのようなお薬治療は、もっと早く2週間にして「シミをかき出す」と言う感じです。

そしてコラーゲンとエラスチンです。皆さんは、すぐレーザーなどの機械がお好きですけど、レーザー等のたるみ治療器はコラーゲンを増やします。自分のコラーゲンを壊してもう一回作る(再構築)わけですね。ビタミンAはコラーゲンとエラスチン両方を作るんです。

イメージとしたら、ビタミンAがコラーゲンやエラスチンを育てるって言う感じです。
ビタミンAの効果
1.シミを薄くする、予防する
2.シワを改善する、予防する
3.皮膚の新陳代謝を良くする(ターンオーバーが子供の時のように促進される)
4.ニキビ・ニキビ痕、毛穴を改善する
5.皮脂分泌のコントロール作用
1~3はいわゆる紫外線による光老化の修復と予防です。
ターンオーバーの促進
肌は、一定のサイクルでターンオーバー(新陳代謝)を繰り返しています。ターンオーバーを繰り返すことで、ホコリに代表されるような外部の刺激から肌を守ったり、潤いやハリのある肌を維持してくれます。ですから、ターンオーバーを正常に保つことは、美肌を保つ上でとても重要です。逆に加齢や誤ったスキンケア、ストレス、不規則な生活などからターンオーバーのサイクルが乱れると、肌表面の古い角質層が蓄積して、ごわつきや乾燥、毛穴のつまりなど、肌トラブルが起きやすい状態に。また、くすみやしみ、ニキビ跡が目立つ原因にもなります。
皮脂分泌のコントロール作用
ビタミンAは皮脂の分泌をコントロールすることで知られています。過剰な皮脂の分泌を抑えて、ニキビを防いだり、毛穴のつまりを改善したりします。
Dr.フェルナンデスは、「ビタミンAは表皮の形成を促して肌のハリや潤いを保ち、紫外線から肌を守り、シミやシワを防ぎます。身体中を走る血管の弾力性や臓器の健康を保つのもビタミンAの役割です。ビタミンAが欠乏すると、肌と体の両方に大きなダメージがあるだけでなく、寿命の鍵を握るテロメアが短くなり、寿命が短くなると言われています。特に30代以降は欠乏によるダメージが顕著に表れてきます」と語っています。
ビタミンAの種類
「レチノール」、「トレチノイン」とか?何だろうと思われるでしょうが、ビタミンAの様々な形です。

表で見ると、パルチミン酸レチノール(エンビロンのチューブのシリーズ)や、プロピオン酸レチノール(エンビロンのC-クエンス番号シリーズ)は安定性が高く、皮膚への刺激が少ないです。
レチノールはやや刺激性が強いですが、浸透度が高いです(Aブーストやゼオスキンケアヘルスシリーズ)。レチノイン酸(トレチノイン)は安定性が低く、刺激が強い形で医師しか使用できません(ゼオスキンヘルス製品のお薬治療など)。
それぞれの特徴に合わせた形で、使っていきます。
レチノイド反応について
ビタミンAを肌に塗布したときに起きる赤みなどの反応は、『A(レチノイド)反応』と呼ばれるものです。これはすべての人に起こるというわけではなく、ビタミンAが不足している肌に起こります。ビタミンAが不足している肌には細胞がビタミンAを受け取る”レセプター”が不足している状態になっていて、ビタミンAが入りやすい、刺激となって赤みになっているんですね。
ビタミンAが足りている通常の肌であれば、レセプターが取り込んでくれるので、細胞外で刺激となることはなくなります。徐々に使っていくことで、肌にレセプターが増え、健やかな状態に近づいてきます。
A(レチノイド)反応がでやすタイミング
1.ビタミンAの化粧品をはじめて塗り始めたとき
2.ずっと塗っているが、ビタミンAの濃度が高い製品を使い始めたとき、あるいは量を増やしたとき
3.体調、肌の状態(花粉症の時期、黄砂の時期なども関係あり)
4.ニードリング(ロールキット)を使い出したり、回数を増やした時(孔の数が増えると沢山肌の奥深く入る)。またはDFモバイルを使い始めたとき。
こんな時に乾燥したり、赤み・かゆみがでたりしやすいです(実は使い始めも、高濃度に上げていっても全く反応が出ない人も結構おられます)。このような反応の発生は『あなたのお肌がビタミンAを欲しているサイン』です。
例えば、食べ慣れないものを口にした時、消化不良でお腹を壊すことがあります。同じようにお肌のビタミンAが老化で減ってしまっている時、たくさん塗ってしまうと上手く処理できないことがあります(赤み、乾燥など)。
これらは塗り続けることで酵素が増えて、きちんと処理され、ビタミンAの効果が出てきます。
その為、肌状態を見ながらセラピストが塗る量・頻度をコントロールしながら徐々に慣らしていきます。慣れるに従い「ハリ」や「シミが気にならなくなった」などの肌の若返り効果が出てきます。
ビタミンAは、はじめは反応があるかもしれないが、徐々に慣らしていき、効果を出すと考えてください!はじめに反応があっても上手く使うと効果が出るのがビタミンA配合高機能化粧品です。
エンビロン開発者Dr.フェルナンデスもこう言われています。
『ビタミンAに敏感な人もいれば、そうでない人もいます。しかし、理解しておくべきことはアレルギー反応との違いです。アレルギーの場合はすぐに使用を止めるべきですが、肌がビタミンAに反応しているだけならば、量を減らしても塗布を続けて欲しいと考えます。肌のビタミンAが不足している方ほど、ビタミンAに慣れるための時間がかかるのです』

しかしビタミンAの反応があるので、売りっぱなしになってしまう一般化粧品ではビタミンA (レチノール)の量は少なくなってしまいます。なぜならビタミンA反応を合わないと勘違いしたり、怖がったりする方がおられるので。
さて、皆さんがビタミンAの反応が起きたときに心配されるのは、「痕が残るのでしょうか?」と言うことですが、それは心配ありません。ビタミンAの反応が出た時は乗り越えることもできるし、量を減らしたり、ビタミンAが入ったものを一旦止めて、しばらくして量少なくからスタートと言うことをします。
そもそもビタミンAの反応は、ビタミンAが肌の細胞の中に入らないと効果が出ないんですけれども、細胞の中に入るためにはレセプターと結合しなければいけません。しかしそのレセプターの数は個人差があります。少ない人と多い人があります。多い人は初めから高濃度の化粧品を塗っても反応は起こりにくいのです。
しかし少ない人も徐々に塗り続けていると、レセプターの数も増えてきます。それでビタミンAの化粧品は徐々にならしていくと効果が出ると説明されます。
ビタミンAの薬は、トレチノインのセラピューティックが有名ですけども、セラピューティックは反応出して、「反応は当たり前。肌の大掃除をする」と言うものです。痕が残るどころか、目に見えてシミやシワは改善されます。ただ、痒くて痒くてたまらなくかきむしってしまうとか、丸の赤みができてかゆいとか、浸出液が出てくるとか、出血すると言うとそれはビタミンAを止めないといけません。
化粧品レベルではこういう事はまず起こりませんが、薬のセラピューティックの時は注意が必要です。
ただし、実際にはビタミンA反応ではないこともあります。本当は他のことが原因で肌荒れが生じているにもかかわらず、自己診断でレチノイド反応と思いこんでいる方もいらっしゃいます。症状が強かったり、長引く場合は早めにビタミンAに詳しい医師に相談し、正しく自分の肌のことを理解しましょう。「これはA反応だから大丈夫」と思い込まずに、早めのご相談をおすすめします。

こちらはエンビロンのCクエンスシリーズのステップアップのイメージです。最初は低濃度から初めて、肌が慣れてきたら濃度を上げていきます。効果を狙って、最初から高いレベルのビタミンAを用いたり、量を多く使用したりするのは好ましくなく、自分の肌状態に合わせたレベルのビタミンAを適量用いるのが美肌への一番の近道です。レチノイド反応をコントロールしながら、徐々にビタミンAを補っていくのがポイントと言えます。
シミ
最近の私の口癖は、
「シミは簡単、たるみは難しい」
「シミは“何かを我慢すれば近道もある”が、たるみは“治療をコツコツしたらしただけ”の効果」
という感じです。

この方は70代女性で、シミの治療ですが、Qスイッチルビーレーザーで丸いシミを取り、全体のくすみにメドライトC6、そして仕上げがホームケア、トリートメント、軽いゼオスキンヘルス(オバジZO)のビタミンAの塗り薬治療です。あまり赤み、皮むけなどの心配が入りません。
11ヶ月でシミは、きれいに取れて、ビタミンAのトリートメントなどは、小じわ、ハリ、たるみにも効いています。

こちらは60代の女性の患者さんです。
Qスイッチルビーレーザー(シミ取りレーザー)はしていませんが、あとは前回の方と同じ治療内容(フェイシャルエステとZOスキンヘルス(オバジZO))の患者さんです。シミはもともとあまりないのですが、顔全体の若返り、とくに肌質と目の下、目尻のシワ、法令線が改善されています。
今回の方は4ヶ月、前回の方は11ヶ月と、集中治療の期間に差がありますが、これはビタミンAの塗り薬の強さが違ってて、マイルドな治療だと少し期間が長いのです。
ビタミンAの化粧品選び
私は、いつも「良い化粧品」には、2種類あると言っています。
・誰がどんな塗り方をしても大丈夫な「良い化粧品」(一般化粧品)
・塗っていると肌が良くなっていく化粧品(高機能化粧品)
両方は、こんな感じです。

機能性化粧品の成分は、ビタミンA(レチノールや、パルチミン酸レチノール、酢酸レチノールなどいろいろあります)、ピーリング(乳酸、グリコール酸、サリチル酸)、抗酸化物質、最近ではペプチドです。
高機能性化粧品の成分の特にビタミンAですが、医師や専門の訓練を受けたセラピストのアドバイスなしでは使いこなすことは難しいです。ascではクリニックやサロンで、医師やセラピストが肌を見ながらビタミンA配合の化粧品を合わせていくのです。
最近では、一般化粧品も「レチノール配合」をトライしています。ある製薬会社は通販で数年前にビタミンA化粧品シリーズを発売し、数ヶ月で中止しました。一般化粧品もレチノール配合とは謳いながらも、なかなか効果が出るほどの濃度は入れることはできません。
なぜか?
やはり、ビタミンAは使い方が非常に難しいのです。効果を出すほどのビタミンAは、ホームケアでもフォローが必要なのです。
内科医の私が、内科の片手間にスキンケアを始めたのが18年前ですが、それは、エンビロンのビタミンAスキンケアが原因でした。こんなにも医療がすすんでいるのかと驚いたのが「紫外線による光老化に対する、ビタミンAと抗酸化スキンケア」でした。
Dr.フェルナンデスが開発したエンビロンは30年以上前に生まれた、ビタミンAが主役のドクターズコスメでした。私の経験含めご紹介していきます。
ビタミンAやピーリングなど、効果がある化粧品ほど使いこなしが難しいです。やはり専門のスタッフのアドヴァイスなしではなかなか使いこなせません。
それに比べて、一般化粧品は「誰がどんな使い方も大丈夫」です(一般化粧品のレチノール入りというのもありますが、量は非常に少ないです)。

vitamin Aの化粧品は、エンビロンとゼオスキンヘルス(オバジZO)が有名ですが、この2つの印象をお話しします。上の写真の左がエンビロン製品、右がゼオスキンヘルス製品です。
今まで一般化粧品しか塗ったことがない人は、ゼオスキンヘルスの方が実感が早いですね。もちろんセラピューティックの薬治療、vitamin Aのお薬治療をすると実感はすごくあります。ところがもし、最高の輝くような肌を手に入れたいなら、エンビロンで濃度を上げていき、ロールキットやDFモバイルをするべきです。

こちらがロールキットとDFモバイルです。エンビロン製品と一緒に使うことで、さらに効果を発揮します。きれいな肌を極めたい方にはエンビロンをお勧めします。
しかし夜のお手入れに時間がないとか、どうもそういうのは苦手と言う方にはゼオスキンヘルスがお勧めです。
さて、何から始めるか?ですが、初心者の場合はエンビロンのモイスチャージェル1あるいはシークエンス1とシークエンスクリームから始めるのが良いと思います。


ゼオスキンヘルスならデイリーパワーディフェンスをお勧めします。

また「予算がちょっと」と言う方には、asc at homeのレチノプラスから始めるのが良いと思います。
できるだけ若い時からvitamin Aの化粧品を塗ることをお勧めします。
20年間やってみてレーザー治療もたくさんしましたが、やはりベースに毎日のvitamin Aスキンケアがあるとレーザーの効果も全然違います。患者さんをみていると、vitamin Aの化粧品の継続年数が、その方の肌年齢を決めているような気がします。
注意する事は、濃度が高い方が確かに効果は高いけれども、無理をせずvitamin Aの反応が出ない、自分に合う濃度のものを塗り続けることが重要です。また、塗り続けていると慣れてきて、さらに高い濃度のスキンケア製品も塗ることができます。
「肌は季節や体調やライフスタイルなどによって日々変化します。肌の状態に合ったビタミンA選びも大切です。
こちらは40代女性の方の症例写真です。約10年、ビタミンA治療を継続されています。
■40代女性 シミ・ニキビ跡治療 No.558






- 施術内容と料金:Qスイッチルビーレーザー(1,100円/1ショット 直径1cmの場合1万円程度)、ゼオスキンヘルス(1ヶ月26,000円~)、マドンナリフト(トライアル55,000円)、ロールキット(針付きローラー18,700円 ※美容液は別途)
- リスク・副作用:Qスイッチルビーレーザー/マドンナリフト まれに赤み・ほてりが生じる場合があります。保冷剤で冷やすことで、数分~数十分程度でほとんど赤み・ほてりは引きます。
ゼオスキンヘルス 一時的に赤み・かゆみ・肌表面がカサカサになる場合があります。その後、瑞々しい肌に生まれ変わるので、ご安心ください。
こちらは頬の写真ですが、ニキビ痕の凹凸があった肌も著しく改善されています。ビタミンA治療を続けて頂いたことで、10年たってもむしろ若々しい肌になっています。
皆さん「もう歳だから」と嘆くことはありません。何歳でも、必ず肌はきれいによみがえってきます。そして、赤池クリニックの患者さんのように「毎日、朝鏡を見ると元気になる」と言うようになれますよ。気軽にチャレンジしてください。
最近では通院しなくても、アカイケのイオン店でホームケア指導を責任を持って行っております。またアカイケクリニックのオンライン診療もありますので、気軽にお声掛け下さいませ。
歴史

先日診察で、「1950年代に老人の脚にビタミンAを塗ったら若返って~」というと「古いんですね」と言われ、スキンケアの流行の流れを話しました。
■1950年、高齢者の脚にビタミンAを塗り若返ったという論文が発表された。
■1980年代半ば、ビタミンAを塗ると若返ると大流行したが、ビタミンAでもレチノイン酸を使ったので、ビタミンA反応(乾燥、赤みなど)で廃れていった。
■1980年代終わりは AHA(フルーツ酸、アルファハイドロキシ酸)が脚光をあびるが、長期使用で皮膚の乾燥、過敏が問題となる。
■1990年代になるとビタミンCが脚光をあびる。しかし刺激的な反応もないが、効果がみえないと廃れていく。
■1990年代終わりになると「活性酸素」が知られ、活性酸素の害を減らす「抗酸化物質」が注目される。ビタミンC、E、フラーレンも抗酸化物質です。
最近はペプチド(成長因子もペプチドの一つ、幹細胞コスメとか、塗るボトックスとかも)が化粧品の成分として注目されています。
当院の患者さんは、ここでお気づきになるかもしれません。「私、毎日全部塗っているわ」と。
つまり、私がドクターズコスメと言って良いのは、Dr.フェルナンデスのエンビロンと、Dr.オバジのZOだけ、さらに予算が、、、という方にはascが作ったasc at home。みなさん、これらをお使いになっていると思います。
大手一般化粧品メーカーは、そのたびに飛びつき、捨てて、次に走る。一つの流行の成分に熱狂するのですが、「スキンケアに流行はない」なんです。

Dr.フェルナンデスは、「スキンケアに流行はない」それぞれに役割があり、特にビタミンAと抗酸化物質は助け合って光老化の害を防いでいると、医学的情報を取り入れたスキンケア製品をまず作り上げました。
1987年にDr.フェルナンデスは、ビタミンAもレチノイン酸よりマイルドなパルチミン酸レチノール、そして抗酸化物質(ビタミンC.E,ベーターカロテン)の配合されたスキンケアクリームを作り、その後ビタミンAも酢酸レチノール、レチノールそして、フルーツ酸、多くのペプチドをスキンケアに取り入れてエンビロンスキンケアシステムがどんどん進歩していきました。
その昔、エンビロンができる前、Dr.フェルナンデスが、「ビタミンのAを肌に塗り紫外線の害を防ぐ」といろんな化粧品ブランドに声をかけても、作ってくれなかったので、自分のキッチンでクリームを作成したそうです。そして、友人の形成外科医にビタミンAのクリームを顔に塗るというと「君はクレイジーだ」と言われたそうですが、その友人は「今は、シワクチャのおじいちゃんになってしまったよ!」だそうです。
QA
Q.ビタミンAはたべたらいい?
A.口から補給されたビタミンAが肌に到達するまでには時間がかかり、さらに肌に届く量は摂取した量よりも少なくなってしまいます。そのため、ビタミンAを肌に補給する方法としては、「食べる」ことももちろん大切ですが、より早く着実に肌に届けるためには、ビタミンAで肌のお手入れをする「塗るケア」が効果的です。
Q.ビタミンAの濃度が高い化粧品を使いたい!
A.皆様、すぐに濃度が高い化粧品を使いたいと思いがちですが、その人に『ベストな濃度』には個人差があります。だからあせらず、反応が出たら濃度を落として慣らしていきましょう。実際に濃度が低い「モイスチャージェル1」が一番向いていて、それを塗り続けるのが最高の方もいらっしゃいますので、セラピストにご相談ください!
Q.ビタミンAは老化予防(日焼予防)?
A.ビタミンA配合のクリームを塗るだけでSPF20の日焼け止めを塗る効果があると学会で発表されています。老化の原因80%は紫外線による光老化ですが、『ビタミンA』と『抗酸化』を塗ることで、お肌の内側からも紫外線をブロックできます!外側からと内側からのWブロックが老化予防にはオススメです。
Q.「ビタミンA」はマスク荒れにも効果がある?
はい。ビタミンAは”健やかな肌”へ導く成分ですので、マスク荒れのお肌のケアにも効果を発揮します。ただマスクによる物理的な刺激は大きいので、ビタミンAに加えて、ビタミンCやEなどの整肌成分が配合されたものを使用することをおすすめします。
ビタミンAについてまとめ
ビタミンAで大切なことは
(1)ビタミンAは、目や皮膚、粘膜などの健康や成長促進に関わっている。肌に対する主な働きとして、ターンオーバーの促進、コラーゲン・ヒアルロン酸の生成促進、皮脂分泌のコントロール作用、細胞の保護効果がある
(2)「A(レチノイド))反応」があり、使い始めからしばらくの間、皮むけ、乾燥、ヒリヒリ感、赤みやほてりなどの症状が現れることがある
(3)質の良いビタミンAの化粧品を使うべきです
Dr.フェルナンデスに感動してascを作りましたので、初めはエンビロン化粧品とトリートメントのみでした。その後フォトフェイシャルからはじまって、いろんなレーザー、ビタミンAでもDr.オバジの塗り薬治療など、私も好きな治療を取り入れていきました。
しかし、やはり原点はエンビロンで、今でも「いくらレーザー治療をしていても、ビタミンAを塗っているかいないかで効果が全然違う」と思います。
おっと、さらに洗顔も大事ですね。