赤池クリニックでは、はじめは東大方式の「トレチノインハイドロキノン療法」、そしてドクターオバジのニューダーム、やがてはZ Oスキンヘルスとしてハイドロキノンを使用してきました。
処方前にテストをしたり、必ず診察を定期的に入れたりして、当院では、20年以上使用して現在のところは問題なく使用してきました。しかし、日本で流行しており、クリニック処方のみであったのが、最近ではネットで簡単に手に入れることができるようになったり、海外では色々と問題が出てきているようです。そこでまとめてみました。

ハイドロキノンの効果:メラニンの生成を抑制する

メラニンの生成を抑制します。ハイドロキノンはメラノサイトの活性化を抑え、チロシナーゼの働きを阻害し、メラニン色素生成を抑制します。しかし、ハイドロキノン単独では効果が得られません。ビタミン Aと併用して初めて目に見える効果が認められます。くすみや、うすい老人性色素班にビタミン Aと併用するとシミが薄くなります。しかし、メラニンが深いところにある青アザのシミADMには、全く効きません。
このようなことがあるので、簡単に使用するのでなく、必ず診察を受けてから使うようにしています。

ハイドロキノンの副作用

(1)カブレ ハイドロキノンは刺激が強い塗り薬です。1〜10%程度の濃度がありますが、4%以上になると、刺激が強くかぶれの頻度が高くなります。
炎症や赤み・痒み、顔が腫れる方もいます。
部位によっても反応が違います。当院では使う前にテストをしてから使うようにしています。それでも、お肌に異常が出た場合、使用を中止して速やかに受診しましょう。

(2)白斑 高濃度のハイドロキノンを高頻度でしようしているとチロシナーゼの働きを抑制するだけでなく、メラノサイトを損傷し、白斑などのリスクがあります。5%以上の高濃度のハイドロキノンを長期間使用することにより、局所的に色が抜け白斑を引き起こす危険性があるという報告もあります。(参考に、ミラミンは、4%)紫外線を浴びるとおこりやすいとも言われています。

(3)高濃度のものを長期間つけると色素脱失(白斑)が形成されたり、逆に色素沈着(オクロノーシス)となる場合があります。
※ochronosis オクロノーシス組織黒変症

必ず医師の指導のもと使用するようにしましょう。また、当院では、3ヶ月使うと一旦休むように指導しています。

ハイドロキノンの使用時の注意点

(1)紫外線対策
ハイドロキノンは、メラニンの生成を抑制します。メラニンは、もともと紫外線の害から細胞を守る働きもするので、ハイドロキノンで紫外線からの影響を受けやすくなります。
その結果、逆にシミが出来やすくなってしまうこともあり、日焼け止めや日傘・帽子などの紫外線対策をしっかりと行ってください。

(2)使用期限を守る
ハイドロキノンは酸化しやすいです。開封後に長期間放置すると劣化してしまいます。
ゼオスキンヘルスのハイドロキノン配合の「ミラミン」「ミラミックス」も期限が過ぎたものは使用しないでください。

(3)長期使用の禁止
先にもご説明しました白斑、色素沈着オノクロノーシスなどのリスクもありますので、必ず3ヶ月で休止しましょう。ハイドロキノン含有製品の使用は、3か月程度までです。

(4)妊娠中・授乳中の方は塗れません。

ドクターコラム

オクロノーシス(組織黒変症)は以前から知っていましたが、最近他のドクターから、脱ハイドロキノンする!と言われ改めて注意するようになりました。

数年前から、ドクターオバジのセミナーで、急にミラミンの使い方について期限を3ヶ月と言うようになりました。黒人が8%や10%の濃度の高いのを長年使い、顔がブルーになった写真をみました。
それでも、アメリカとかネットで医師にも見せず、ずっと何年も高濃度使っておこる副作用と考えていました。
濃度が4%以下なら大丈夫、長期間何年も塗らなければ大丈夫とよく言われていました。

ところが、友人の美容皮膚科の先生から教えてもらったところ、黄色人種では2%のハイドロキノンの症例もあるし、数ヵ月でなってるそうです。

確かによく効く時もあります。それで、セラピューティックの時、単品使いでは頻繁に使わず特別な人だけミラミンを使う事にしました。

ヨーロッパやアメリカでは、ハイドロキノンは禁止してきているところもあるそうです。
日本はあまり規制もないようですが、私はできるだけ使わない方向で行きたいと思っています。
効果があるので、悩みますが、脱ハイドロキノン派でいきます。

そういえば、エンビロンの開発者ドクターフェルナンデスは、ずっと一貫してハイドロキノンには否定的でした。さすがです。